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コラム

あなたの家の雨樋の排水処理は大丈夫?仕組みや費用を紹介!

F型集水器の写真

「雨樋の水はどうやって捨てればいいのだろう?」
「雨樋の水はそのまま流してもいいのだろうか?」
こんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

雨樋の水は適切な排水処理をしなければ、庭に水たまりができて靴や車の汚れの原因となったり、ぬかるんで歩行しにくくなったりします。
また、雨樋の雨水を誤って、家庭から出る「汚水」の流れる排水管に流してしまうと、排水機能を麻痺させるトラブルにもつながりかねません。

この記事では、適切な雨樋の排水処理について以下の情報を解説します。

・雨樋の排水を処理する3つの方法
・排水管を設置する際の注意ポイント

ぜひこの記事を参考にして、ご自身の家庭に合う雨樋の排水方法を見つけてください。

 

雨樋の排水処理の仕方

鎖樋2

雨樋の排水処理には、以下の3つの方法があります

・道路の側溝や河川に流す
・雨水浸透マスに流す
・タンクに溜める

それぞれの方法とメリットやデメリットを理解して、ご自身の家庭に合う排水方法はどれかチェックしてください。

 

道路の側溝や河川に流す

道路の側溝や河川に流す

雨樋から流れる雨水を、道路の側溝や河川に流す方法があります。
排水管を道路の側溝や河川までつなげて、雨樋の水を直接排水します。

メリットは、廃水処理が楽であることです。
雨樋からの排水管を側溝や河川につなげておくだけで、簡単に廃水処理が可能です。

また、雨水を地面に垂れ流しにしないことで、コンクリートの腐食や庭のぬかるみを防げます。
道路や川に面している家庭であれば、こちらの方法を取り入れるのが一般的です。

デメリットとしては、配管工事に費用がかかることです。
道路の側溝や河川に排水するためには、雨樋から地中を通って排水管をつなげる必要があります。

特に、住宅が密集している土地や、河川が近くにない家庭は、長い距離の配管工事が必要です。
配管工事の規模が大きくなるにつれて費用も高額になるため、ほかの排水処理方法とメリットやデメリットを比較して、取り入れるかを検討することをおすすめします。

 

雨水浸透マスに流す

雨水浸透マスに流す

雨樋からの雨水を、雨水浸透マスに流す方法があります。

雨水浸透桝は地面に埋められており、雨樋から流れ落ちる雨水を溜めるタンクのことです。
タンクに雨水が溜まった後、水分が徐々に地中へ浸透していくことで、地面の地盤沈下を防げます。

メリットとしては、道路の側溝が雨水で溢れるのを防げる点が挙げられます。
ゲリラ豪雨や台風の際、排水が追いつかず、側溝が雨水で溢れるケースも少なくありません。

デメリットとしては、浸透桝の設置に費用がかかることです。
場合によっては、側溝や河川へ排水する配管工事よりも高額になることがあります。

また、雨水浸透桝を管理しなければいけない点もデメリットといえます。
長年掃除されていない雨水浸透桝は、汚れが溜まり雨水が地面へ浸透しづらくなるため、定期的なメンテナンスが必要です。

なお、お住まいの地域によっては、雨水浸透桝の設置に補助金がおりる場合もあるため、費用が高額な場合は各自治体へ相談してみるのもおすすめです。

ちなみに、横浜市では、地下水を涵養(かんよう)し、水辺と緑を保全し、良好な水環境を次世代に引き継ぐため、宅内雨水浸透マスの設置を促進しています。

 

タンクに溜める

タンクに溜める

雨樋からの排水を、タンクに溜める方法があります。
雨樋の雨水を、外付けのタンクに溜める方法です。

メリットとしては、雨水を再利用できる点です。
庭への散水や園芸、アウトドア用品の洗浄などに再利用することで、水道代を節約できます。
また、災害時への備えとしても活用できます。
雨水を溜めておけば、災害時のトイレの排水にも困りません。

デメリットとしては、タンクの設置費用がかかることが挙げられます。
仮に水道代を節約できたとしても、タンクを設置するための初期費用を回収するには何年もかかります。

また、溜めた雨水の使用用途が限られる点もデメリットの1つです。
基本的に、溜めた雨水は飲み水や洗濯といった生活用水には利用できません。

使い道がないと、結局は排水しなければいけないので、ほかの排水方法を取り入れたほうが管理が楽になる場合もあります。
溜めた雨水をどう再利用するかを考えた上で、設置を検討しましょう。

なお、外付けの雨水タンクの設置も、補助金がおりる場合があります。

 

雨樋の排水処理で排水管を設置する際の注意ポイント

雨樋 排水管

雨樋の排水処理で排水管を設置する際の注意ポイントは、配管を間違えないようにすることです。
雨水は専用の配管へ排水しなければ、大きなトラブルにつながる恐れがあります。

また、下水道には雨水と汚水の排水方法として、「分流式」と「合流式」があります。
雨水の排水を誤ったらどのようなトラブルが起きるか、「分流式」と「合流式」とはどんな方法かを以下で説明していきましょう。

 

下水道の「分流式」とは

「分流式」とは、雨水と家庭から出る汚水が通る排水管を分けて配管する方法です。
雨水は直接河川へ放流されますが、汚水は下水処理してから排水されます。

「分流式」のほかに、雨水と汚水の排水管をまとめて配管する「合流式」があります。
合流式の場合、雨水も汚水も下水処理場に運ばれて、下水処理してから川に放流されるのです。

また、合流式は配管が1本で済むため、工事が簡単で経済的です。
しかし、近年のゲリラ豪雨の多発により、合流式では下水処理場の機能が追いつかないため、現在は分流式が主流となりました。

 

排水管の配管を間違えると起こりうる問題とは

万が一、配管を間違えて雨水を汚水の流れる方へ排水してしまうと、降雨量が多い日は以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

・汚水がマンホールから溢れる
・汚水が逆流してしまう
・河川が汚染されてしまう

雨水と汚水がきちんと排水されなくなると、上記のようなさまざまなトラブルが起きます。
トラブルを防ぐためにも、雨樋の排水処理を行う際は、配管を間違えないようにすることが重要です。

 

雨樋の排水は下水道のトラブル回避のために適切に施工しよう

雨樋 排水管2

雨樋の雨水を適切に排水しなければ、さまざまな下水道トラブルにつながる恐れがあります。
また、雨樋の排水方法はご家庭ごとに適した方法が異なるため、それぞれのメリットやデメリットをチェックしておきましょう。

雨樋の水はただ外へ排水するのではなく、ご家庭に合った方法を取り入れつつ適切に施工して、トラブルなく安心して過ごせるようにしましょう。

他に、雨樋を修理するポイントを知りたい場合は「自分でやる?雨樋を修理する時の7つの工程と交換時の大切なポイント」をチェックしてみてください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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