「雨樋の継手の役割を知りたい」
「雨樋の継手の修理をしたいが方法がわからない」
そんなあなたへ、雨樋の継手の役割と修理方法、付け方を紹介します。
雨水を受けて、地上へと流していく雨樋は、建物を守るために必要な設備です。
そんな雨樋が壊れてしまっては、建物や敷地の表面が早く傷んでしまうでしょう。
雨水による住宅劣化のリスクを減らすためにも、雨樋の破損は早いうちに対処することが大切です。
こちらの記事を読むことで、雨樋の継手の重要性と修理方法が分かるでしょう。
雨樋の継手とは、軒樋や縦樋の継ぎ目を繋げるための部品です。
継手は、設置する軒樋や縦樋の長さが足りない場合に使います。
継手をはめ込み、軒樋や縦樋をつなげるのです。
また、伸縮継手を使用することで、気温差による雨樋の伸縮が吸収されて、樋が破損しにくくなります。
継手には、「軒継手」と「縦継手」の2種類があります。
軒継手は、その軒樋と同じ断面となっていて、幅は約10センチ程度のものが多いです。
縦継手は縦樋と同じ断面のパイプ型となっています。
設置する継手の形は、樋に合わせたものを選ばないとしっかり接着しませんので、注意が必要です。
継手が破損してしまった場合、放置してしまうと以下のリスクが生じます。
建物の見た目が悪くなる
雨水により建物の一部が腐食する
カビやコケが生えやすくなる
もし継手が壊れてしまったときは、放置せずに修理や交換を行いましょう。
雨樋の継手の修理には、同型の新しい継手部材と接着剤を使います。
また修理の際は継手雨樋の本体も必要になりますので、本体を1本用意しなければいけません。
使用する雨樋のり(接着剤)は、ホームセンターや工具屋で売っている雨樋専用タイプを使うとよいでしょう。
雨樋の継手の「軒継手」と「縦継手」は、付け方がそれぞれ異なります。
新しく付け直す継手は、交換したいタイプと同じメーカーの商品を選びましょう。
継手の付け方について、それぞれ以下で紹介します。
軒樋の継ぎ目となる軒継手を取り付ける際は、事前に雨樋のり(接着剤)を軒継手側に塗布します。
繋げたい軒樋同士の繋ぎ目に、雨樋のりが塗布された軒継手をはめ込みます。
この際、雨樋のりの量が少ないと、漏水の原因となります。
また雨樋のりが多すぎると軒継手からのりがはみ出てきてしまい、完成した後にのりの跡が白くなって汚くなります。
適量を塗布することに注意して施工をします。
縦樋の継ぎ目となる縦継手は、差し込み式になっているので、サイズに合うタイプを用意して設置しましょう。
接着剤は、縦樋と縦継手が接続する部分に塗布します。
縦継手は上下があるので、取り付けの際には雨の流れを考えて接続してください。
エルボは、縦樋の角度を変更する際に使用する継手で、パイプを曲げた形をしています。
縦樋を屋根や外壁に沿って下に延ばしたりする時にエルボを使用することで、障害物をかわしながら設置できるのです。
また、縦樋の先端に付けてU字溝や排水溝、雨水マスへ雨水が流れるようにします。
縦樋の先に付けることで、目的の場所まで樋を繋げていけるのです。
エルボには、固定型と自在型の2種類があります。
固定型はエルボの角度が固定されています。
角度を変えられる柔軟性がないぶん、自在型より安く手に入れやすいです。
自在型は接続の向きを変えることが可能となっています。
細かな角度調整ができるため、状況に応じて臨機応変に使えるでしょう。
固定型も自在型も、縦樋の形状に合わせて丸型と角型が用意されています。
縦樋の形状に合わせたタイプを選びましょう。
固定型エルボの角度は90度、105度が一般的です。
自在型の回転エルボの場合は90~180度まで可動域があり、とても便利です。
樋の軌道をどう変えるかによって、必要となるエルボの角度が変化します。
購入する前に、角度を計測して設置するエルボのタイプを決めておきましょう。
雨樋の継手は、軒樋から縦樋までつないでいくためには欠かせない部品です。
継手がなければ、気温差で樋が収縮して破損することがあります。
雨樋の機能を維持するためにも、継手は無くてはならない部品なのです。
継手を修理したり取り付けたりする際、軒継手と縦継手は施工方法が違います。
必ず手順を確認しましょう。
また、継手を設置する際は雨樋専用の接着剤を用意して作業しましょう。
そして、継手のひとつであるエルボは種類やさまざまな角度があるため、樋の種類と目的に合わせて選ぶことが大切です。
雨樋の修理は高所での作業となります。
足場が悪く滑りやすいため、不慣れな方が作業するのは危険です。
もし雨樋の修理や交換をしたい場合は、屋根業者へ修理を依頼することをおすすめします。
他に、雨樋を修理するポイントを知りたい場合は「自分でやる?雨樋を修理する時の7つの工程と交換時の大切なポイント」をチェックしてみてください。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。