雨樋に設置する忍び返しは、不審者の侵入防止に効果的です。
忍び返しはどういうものなのか、どのように設置するのか詳しく知りたい人もいるのではないでしょうか。
忍び返しは戦国時代に使用された防護策で、現代では防犯グッズとして使われています。
家庭の安全を守りたいと考えている人におすすめのアイテムです。
本記事では、雨樋に設置する忍び返しについて詳しく解説しています。
忍び返しのメリット・デメリットのほか設置時の注意点、取り入れたい防犯対策も紹介しているので、参考にしてください。
そもそも忍び返しとはどういうものなのか、簡単に解説します。
・発祥は戦国時代での防護策
・現代では不審者予防
昔の防護策だった忍び返しが、現代では不審者予防として使用されているものです。
忍び返しの発祥は戦国時代です。
主にお城に設置され、防護用として使用されました。
塀の上に竹や木、鉄くぎなどの尖ったものを取り付けます。
屋根や石垣を登っての侵入を防ぎ、敵を寄せ付けないように備えられました。
現代では、雨樋をつたって侵入する不審者に対する防犯グッズとして使用されます。
忍び返しは先端が鋭利のため、軽く触っただけで手が切れることもあり危険なアイテムです。
雨樋を侵入経路とする空き巣や泥棒などの防犯対策におすすめです。
忍び返しは住宅へ侵入する不審者への防犯対策として優れていますが、デメリットもあります。
・メリット:防犯対策に効果がある
・デメリット:見た目が気になる場合がある
設置を検討したときには、悪い面も知っておくことが大切です。
忍び返しは、雨樋を登る不審者予防に効果的です。
本来、雨樋は雨水の通り道としての役割を果たしています。
しかし、空き巣や泥棒は雨樋に足をかけて登り、侵入経路として使用しているケースがあります。
防犯対策が弱いと玄関からだけではなく、窓やベランダからの侵入を許してしまい危険です。
忍び返しは、高所の防犯対策として重要な働きがあります。
侵入者を防ぐアイテムとして優れている忍び返しですが、見た目が気になるところがデメリットです。
忍び返しには鋭利なトゲがついているため、外観の雰囲気が崩れる可能性があります。
しかし、忍び返しのデザインは豊富です。
露骨にトゲのような形をしたものだけではなく、オールステンレスのスタイリッシュなものもあります。
デザインにこだわった忍び返しもあるため、住宅の印象を重視している人は雰囲気に合ったアイテムを選ぶことをおすすめします。
忍び返しを設置するときには、下記の点に注意する必要があります。
・板金業者への依頼がおすすめ
・自分で設置する場合はサイズとケガに注意する
忍び返しは危険なもののため、不安なら無理せずに板金業者へ連絡しましょう。
設置の仕方がよくわからない、鋭利で危険なので自分では難しいと判断したときには、板金業者への依頼がおすすめです。
適切な設置の仕方がよくわからないまま適当に設置すると、雨樋を傷める可能性があります。
また、高所での作業は危険も伴います。
少しでも不安を抱いているなら、板金業者へ相談してください。
基本的には板金業者への依頼がおすすめです。
どうしても忍び返しを自分で設置する場合は、サイズが合っているか確認する必要があります。
忍び返しはどのような雨樋にも設置できるとは限りません。
サイズが違うと取り付けられない可能性があります。
また、設置時に誤って触るとケガをする恐れがあるため危険を伴います。
忍び返しには鋭利なトゲがついているため、特にお年寄りや子ども、ペットがいる家庭は取り扱いに注意してください。
安心・安全に設置するなら板金業者への依頼がおすすめです。
雨樋の防犯対策は忍び返し以外にもあります。
・防犯カメラを設置する
・忍び返しバンドを後付けする
・縦樋には物を置かないよう意識する
・窓から離して縦樋を設置する
効果的な防犯対策で不審者の侵入を防ぐことが大切です。
不審者を侵入させないためには、防犯カメラの設置がおすすめです。
防犯カメラがあると自分の姿が記録されるため、侵入しにくくなります。
さらに手軽に対策するなら、人感センサーライトも効果的です。
人感センサーライトは人の動きを感知して点灯するため、住宅周辺が明るくなります。
不審者の姿が見えやすくなることから、侵入者の阻止につながります。
忍び返しバンドは縦樋に後付けできる防犯アイテムです。
先に鋭利なトゲがついているため、侵入しようとするとケガをする恐れがあります。
ただし、設置時の取り扱いや子どもが誤って触らないように注意が必要です。
侵入経路を作らないためにも、縦樋周辺に物を置かないようにすることが大切です。
物があると壁や屋根へ登りやすくなります。
雨樋には、単体で人の体重を支えられるほどの強度がないケースがあります。
踏み台になるようなものがあれば、そこから登って雨樋を補助的に使用する人もいるでしょう。
エアコンの室外機がある場合は防犯対策をし、ダンボールやケースなどを縦樋の近くに置かないように意識する必要があります。
縦樋を設置するときには、できるだけ窓から離して設置します。
窓やベランダの近くに縦樋が通ると、登りやすくなり侵入されるリスクが増すからです。
実際に侵入する窓に手足が届かない位置に設置すると、効果が高くなります。
住宅の設計時には、縦樋と窓の距離を確認しておくことが大切です。
忍び返しに関して、よくある質問を紹介します。
・忍び返しはホームセンターでも購入できるのか
・そもそも雨樋は必要なのか
・雨樋や忍び返しに関する相談はどこにすべきか
忍び返しについてわからないことがあれば、事前に解消しておくと安心です。
忍び返しはホームセンターやネットで購入できます。
サイズや形状もさまざまのため、住宅に適した忍び返しを選ぶことが大切です。
雨樋は雨水をうまく排水させるために必要です。
雨樋がないと雨水が壁を伝って地面に落ち、泥水が跳ね返ることで外壁の劣化につながります。
さらに、劣化した外壁から雨漏りする可能性もあります。
雨樋の設置は義務ではありませんが、住宅の耐久性維持のために重要です。
忍び返しの設置や雨樋に関して不安なことがあるときには、板金業者への相談がおすすめです。
知識や経験の豊富な業者へ依頼した方が、施工不良の心配が少なくなります。
しかし、中には悪徳業者も存在するため信頼できる板金業者へ依頼する必要があります。
一つの判断基準として「金具の間隔は何センチの間隔で取り付けたか」を業者に質問してみてください。
的確に答えてくれる業者なら、十分な知識があると考えられます。
雨樋に設置する忍び返しは、空き巣や泥棒を防ぐ効果があります。
鋭利なトゲがついているため、窓やベランダから簡単に侵入できなくなるでしょう。
雨樋は不審者の侵入経路になることから、日ごろから防犯対策する必要があります。
忍び返し以外にも、防犯カメラや人感センサーの設置などさまざまな方法があるため、住宅に適したアイテムを活用してください。
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内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。