「雨樋が外れてしまったけど、そのままでも問題ない?」
「雨樋が外れたときの修理はDIYでもできる?」
雨樋が外れてしまい、修理が必要なのだろうかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
雨樋が外れた場合は、基本的に修理が必要です。
本記事では、雨樋が外れた場合の修理方法や雨樋の主な不具合、費用相場、おすすめの対処方法について紹介します。
雨樋の外れや塗装の剥がれなどにお困りの方は、ぜひご一読ください。
雨樋が外れた場合は修理が必要です。
雨樋が外れた際の修理方法は下記の2つです。
・DIY
・業者に依頼
それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に適した修理方法を選択しましょう。
上記の修理方法について、1つずつ解説していきます。
自分自身で雨樋修理を行う「DIY」はあまりおすすめできません。
雨樋の不具合は、必要な道具や部材をホームセンターやネットで揃えられるため、自分で修理もできます。
DIYのメリットは、業者に依頼するよりも安価に修理ができることです。
一方デメリットは、知識不足による施工不良やケガのリスクが挙げられます。
雨樋が外れた場合の不具合は、慣れない方が修理をすると悪化させてしまうケースが多いです。
他にも、ハシゴや脚立を使用するような高所の修理は、転落によるケガのリスクもあります。
雨樋修理はDIYでも可能ですが、デメリットの方が大きいため、あまりおすすめはできません。
雨樋が外れた場合は業者に修理を依頼しましょう。
雨樋修理における業者とは、板金業者や瓦業者のことを指します。
雨樋が外れてしまった場合に限らず、雨樋の不具合は業者への相談・依頼がおすすめです。
業者に依頼するメリットは不具合をしっかり直せること、一方デメリットは費用が高いことです。
業者へ依頼すれば不具合を確実に直せるため、雨樋トラブルは板金業者に相談しましょう。
雨樋の修理は、軽微なものでも業者への依頼がおすすめです。
DIYでも修理はできますが、おすすめはできません。
DIYの修理をおすすめできない理由は下記の4つです。
・不具合が直らない可能性がある
・不具合が悪化する場合が多い
・他の不具合の発生につながるおそれがある
・落下によるケガのリスクが高い
業者に依頼するよりも安価に修理ができるため、できればDIYで直したい方もいるかもしれません。
しかし知識や経験のない方が修理をすると、すぐに不具合が再発したりさらに悪化したりするおそれがあります。
それどころか、問題のない部分を壊してしまう恐れがあるものです。
修理箇所が高所の場合はハシゴを使う場合もあるため、落下によるケガのリスクもあります。
費用はかかってしまいますが、確実にトラブルを直すなら雨樋の修理は業者への依頼がおすすめです。
雨樋の修理を依頼する業者は下記の5つの項目を基準に決めるのがおすすめです。
・建設業の許可を保有している
・リフォームパートナー協議会への加盟している
・地域で長年営業している
・自社職人がいる
・職人が国家資格を保有している
これらの項目を満たす場合には技術力が高く、信用できる業者の可能性があります。
それぞれについて解説していきます。
建設業の許可とは、国土交通省または都道府県知事がさまざまな条件をクリアした業者に与える営業許可のことです。
小さな規模の建設工事は建設業の許可なしでも行えますが、一定金額以上の建設工事の完成を請け負うには建設業の許可が必須です。
技術力が高く信頼できる業者に修理してもらいたい場合には、建設業の許可を保有しているかどうかをチェックしてみてください。
良い業者を見極めるための1つの基準として、リフォームパートナー協議会(RECACO)に加入しているかどうかを確認してみましょう。
リフォームパートナー協議会は、住宅リフォームを行いたい方が安心して依頼できるような環境作りや技術向上を目指すために設立された組織です。
加入している業者は、リフォーム事業の技術向上、わかりやすい説明、見積書の提出・提案などの講習を受けています。
講習を受けているという安心感はもちろん、依頼者に信頼される業者になることを目指してスタッフの指導・育成を行おうという姿勢も伝わってきます。
丁寧で分かりやすい説明をしてもらえる業者を見つけるためにも、リフォームパートナー協議会に加入しているかどうかを確認してみて下さい。
地域で長年営業している業者は、知識やノウハウが蓄積されていたりサービスが丁寧であったりすることが伺えるため、おすすめです。
地元の業者なので、不具合があった場合に駆けつけてもらいやすいのもメリットとして挙げられます。
地域で長く付き合っていける業者を見つけたい方は、長年営業している業者へ依頼してみましょう。
自社職人が在籍している業者であれば、相談から施工まで全ての作業を自社で一貫して行ってくれるため、不具合や認識のズレによるトラブルが生じづらいです。
また外注費用が発生しないため中間マージンが発生せず、お手頃価格で高品質な施工が期待できます。
トラブルを避けつつ、お手頃価格で高品質な施工を期待するためにも、自社職人がいるかどうか確認しましょう。
国家資格を保有する職人がいる業者を選ぶのもおすすめです。
屋根や雨樋などの修理にかかわる国家資格としては、下記が挙げられます。
・建築板金技能士
・かわらぶき技能士
・建築士
・施工管理技士
なるべく綺麗に仕上げてもらうなら、国家資格を取得し技術力が確かな職人がいる業者を選んで依頼すると安心です。
雨樋の不具合は外れる他にも、さまざまな不具合があります。
代表的な不具合は、下記の3つです。
・変形
・割れ
・亀裂
雨樋に不具合があると雨水をうまく排水できず、外壁のひび割れなどから雨水が侵入し、腐食の原因となるおそれがあります。
不具合が発生した場合は、できるだけ早い修理が必要です。
上記の不具合について、1つずつ解説していきます。
変形とは、雨樋の形状が変わってしまうことです。
雨樋の変形は、軒樋と縦樋どちらでも発生する恐れがある不具合といえます。
軒樋の変形は雪の重みや飛来物が主な原因となり、縦樋は外部からの衝撃や紫外線による劣化が主な原因です。
多少の変形であれば雨水の排水に大きな影響はないため、急いで修理を依頼する必要はありません。
しかし雨樋から水があふれているなど、雨樋がうまく機能していない場合は修理を依頼しましょう。
割れとは、雨樋の一部が欠けることです。
割れの主な原因は、外部からの衝撃や経年劣化が挙げられます。
割れを放置すると、一部が吹き飛ぶ「飛散」につながるおそれがあり大変危険です。
雨樋が飛散して周囲の車や住宅に被害を及ぼすと損害賠償責任を負う可能性があるため、割れを見つけたら修理を依頼しましょう。
亀裂とは、雨樋にひび割れが発生することです。
亀裂の主な原因は、割れと同様に外部からの衝撃や経年劣化が挙げられます。
雨樋に亀裂が入ると、雨水がうまく排水されず雨漏りにつながるおそれがあります。
亀裂が入った雨樋は、ゲリラ豪雨や台風などの影響でさらに悪化する可能性が高いです。
雨樋に亀裂を見つけた際は雨樋修理を依頼しましょう。
雨樋の不具合を発見したら、修理までの期間は応急処置で対処するのも良いです。
雨樋の応急処置としてよくある方法は、下記の2つです。
・テープで問題箇所を修理する
・コーキングを活用する
修理するまでの間に不具合が悪化しないよう、応急処置の方法を確認しておきましょう。
雨樋に穴が開いている場合は、アルミテープを貼って穴をふさぐことで応急処置ができます。
ただしあくまで応急処置のため、テープで応急処置するだけでなく板金業者に修理を相談してみましょう。
不具合発生から修理までの短期間であれば、アルミテープでの補修も処置方法の1つとしてあります。
ただしテープで補修してから塗装しても、結局は台風や大雪など、壊れたときと同じタイミングで再び壊れる可能性が高いです。
アルミテープでの補修はあくまでも応急処置なので、補修した箇所は近いうちに修理・交換するよう板金業者に相談しましょう。
雨樋の小さな割れや亀裂などの軽微な不具合であれば、一時的にコーキングで処置できます。
コーキングとは、建材と建材の間にできる隙間や継ぎ目を埋める充填剤のことです。
ただし、コーキングでの処置はあくまでも一時的な応急処置にすぎません。
完全に直すには、コーキングに加えて新しい部材への交換など修理が必要です。
コーキングでの補修後数か月は不具合が直りますが、1年持たずに不具合が再発する可能性があります。
そのためコーキングで補修した場合でも、必ず修理を依頼しましょう。
雨樋修理に必要な費用相場をご紹介します。
雨樋修理の費用は、足場なしの全体修理では2〜30万円が相場です。
軒樋や集水器などを含む部分交換など、軽微な修理であれば2〜5万円ほどで修理ができます。
1軒全体の雨樋交換など大規模な修理の場合は、15〜30万円が相場です。
ただし既存の雨樋に落ち葉よけネットを設置している場合は、作業工程が増えるため別途費用が発生する可能性があります。
隣家との距離が近い場合や高所の修理は、費用が高額になる場合もあることを覚えておきましょう。
基本的にハシゴや脚立で対応できる場合は、費用負担を考慮して足場を組まずに修理を行います。
しかし、どうしても足場の設置が必要な場合は別途足場の費用が発生します。
足場の設置費用は10〜30万円が相場です。
雨樋が外れた際の修理費用を抑えるコツは下記のとおりです。
・火災保険が適応できるか確認する
・外れた雨樋は早めに修理を行う
・相見積もりを行う
修理費用の安さよりも、確実かつ綺麗に雨樋を修理してくれる業者に依頼するのがおすすめです。
修理費用を抑えるコツを知っておくことで、無駄な出費を減らし不当な高額請求かどうかを見極められます。
それぞれのコツについて詳しくみていきましょう。
雨樋の外れた原因が自然災害によるものである場合、火災保険を適応して修理費用を抑えられる可能性があります。
しかし、あくまで自然災害が原因で雨樋修理が必要になった場合のみであり、経年劣化が原因ならば火災保険は適応できません。
業者がお得感を出して契約させようとする場合や、修理後に火災保険が使えないと発覚する場合もあるため、事前に保険会社に適応できるかを確認しておきましょう。
外れた雨樋は早めに修理を行うようにしましょう。
雨樋の修理を行わずに放置すると、雨漏りや外壁、地盤の劣化に繋がります。
雨樋のさらなる破損や劣化を引き起こし、修理費用も高額になりやすいです。
応急処置で雨樋を直した後も、放置せずすぐに業者に修理してもらうようにしてください。
早めに雨樋修理を行うことは、無駄な出費を抑えるためにも大切です。
相見積もりを行うことで、相場よりも高額な不当請求をする業者を見極め、修理費用を無駄に多く払ってしまう状況を避けられます。
あまり選択肢があっても迷ってしまいますので、相見積もりは多くても2社程度で行うのがおすすめです。
また、ある程度価格帯が似ている業者の中から選ぶ基準としては「金額」ではなく、担当者の「人柄」や「信頼感」で選んでください。
あくまで、相見積もりは修理費用の相場を確認するために行いましょう。
修理前に雨樋の基礎知識として、下記の点を抑えておくと業者との認識のズレを防ぎやすいです。
・軒樋の形状
・雨樋の材質
・雨樋の色
雨樋の部材や形、材質、色などにはさまざまな種類があります。
修理が必要な雨樋の材質や形がどういったものか知っておくと業者の施工不良を見極められたり、円滑に修理作業を行えたりするので便利です。
雨樋の形状や材質、色についてそれぞれ詳しく解説していきます。
軒先に横方向に取り付けられた雨樋の部分を「軒樋」と呼び、主に「丸(半円)型」と「角型」という2つの形状があります。
丸(半円)型は、一般住宅によく使われる断面が半円になっている雨樋のことであり、流通量も多く比較的安価で手に入りやすいことが特徴です。
一方で角型は、断面が四角形になっているタイプの雨樋です。
特徴としては、丸(半円)型よりも流水量が多く、価格も丸(半円型)と比較して高いことが挙げられます。
他にも、雪国で用いられる特殊型といった軒樋もあります。
軒樋は、メーカーの型番によって寸法が異なるため、修理時には型番を調べることが必要です。
型番の調べ方については、「雨樋修理でよくある質問」で解説していますので、参考にしてみてください。
雨樋の材質は、主に下記4つが考えられます。
・硬質塩化ビニール樹脂:一般的な住宅で使われる雨樋で安価だが劣化、破損しやすい
・ガルバリウム鋼板:さびにくく耐久性が高いが、塩化ビニール樹脂よりは高価
・銅:お寺や神社などでよく使われるが、かなり高価なため一般住宅では用いられない
・ステンレス:さびにくく耐久性が高いが、高価
他にも、パナソニック電工製の硬質塩化ビニールの中に薄い鉄板が埋め込まれている「アイアン」という雨樋商品もあります。
修理・交換する雨樋の材質によっても交換時の費用が変わってきますので、事前に業者に確認するのがおすすめです。
雨樋の修理や交換を行う際には、色にも注意して選ぶのがおすすめです。
修理した部分のみ雨樋の色が異なっていると、見た目に違和感が出てしまいます。
修理する場合でも、雨樋の色は統一感が出るように同一メーカーで同じ型番の雨樋を使用してあげると良いです。
雨樋全体を交換する場合には、鼻隠しや窓のサッシと色を合わせて雨樋の色を選ぶと違和感を抑えられます。
または、塗装しやすいスタンダードな色(黒、こげ茶色、白)を選ぶと後々、塗装しやすいのでおすすめです。
雨樋修理において多くの方が抱えやすい疑問を解説します。
・そもそも外れた雨樋は修理が必要?
・なぜ雨樋は壊れる?
・雨樋を長持ちさせる方法はある?
・雨樋修理はどこで相談できる?
・雨樋修理にかかる日数はどのくらい?
・修理する雨樋のサイズは、どのようにしたらわかる?
・雨樋の塗装は行うべき?
多くの方が抱える疑問を解決して、安心して雨樋修理を行いましょう。
雨樋が外れた場合は、修理が必要です。
雨樋の役割は、家に降り注いだ雨を適切に排水し、家の耐久性を向上させることです。
雨樋がなければ、屋根から落ちた雨水が跳ね返って直接外壁や地面に当たり、外壁や基礎が劣化する原因になります。
雨樋の外れは家の耐久性低下につながるため、修理が必要です。
雨樋が壊れる原因はさまざまです。
例えば、雨樋に落ち葉などゴミがたまると、水の流れが悪くなり結果的に重さで変形することがあります。
他にも、紫外線による経年劣化や大雪や台風など自然災害による破損などは、壊れる原因の代表例です。
取り付けている金具に不具合がある場合も、水漏れなど不具合が発生する原因となります。
雨樋はさまざまな原因により壊れるため、日常的に雨樋を確認して不具合がないか確かめることが大切です。
雨樋を長持ちさせるには、日々の点検が大切です。
不具合に早く気付けば、補修や部分交換など軽微な修理で済むため、結果的に雨樋が長持ちします。
メンテナンスの周期としては、5〜10年に1度行うのが理想的です。
遠くから雨樋を全体的に眺めると異変に気付くこともあります。
雨樋の修理は板金業者もしくは瓦業者への依頼がおすすめです。
塗装業者やリフォーム業者などは、ほとんど自社施工で雨樋修理を行っていません。
自社施工ではない業者へ依頼すると、中間マージンが発生するうえに、知識不足による施工不良もあります。
雨樋の修理は、自社施工を行える板金業者や瓦業者への依頼がおすすめです。
雨樋修理にかかる日数は、工事箇所の量や状態にもよりますが、部分的な補修・修理ならば半日程度で完了します。
1軒全体の補修、修理の場合には2〜3日ほどが目安です。
しかし雨樋の修理作業は、高所での作業を行う必要があり、足場の設置にかかる時間や天候にも左右されるため、目安の期間よりも長引くことがあります。
見積もりの時点であらかじめ業者に作業期間や修理が長引いた際の日数の目安を確認すると安心です。
修理する雨樋のサイズを調べるためには、メーカーの型番をみてみましょう。
型番は、設置時の見積書に記載されている場合や、軒樋の場合には「止まり」か「軒継手」と呼ばれる部材に記載されている場合があります。
違うメーカー同士だと修理や交換ができない場合もあるのでしっかりと型番を確認してください。
自身で調べられる人は良いですが、高所からの転落や、さらなる破損などのリスクもあるため業者にみてもらうと安心です。
硬質塩化ビニール製の雨樋は、塗装しても耐用年数は変わらないので、雨樋の塗装は必須ではありません。
また、硬質塩化ビニール製の雨樋は、温度の上昇によって長さや体積が膨張するため、塗装をしてもすぐにひび割れを起こすことがあります。
しかし、板金製の雨樋では、劣化を防ぐために塗装が必要です。
雨樋の材質に合わせて、塗装の必要性を判断すると間違いありません。
本記事では雨樋が外れた場合の修理の必要性や応急処置法、費用相場などについて解説しました。
雨樋の外れはDIYでも修理できないことはありませんが、施工不良やケガのリスクも高いため、業者への依頼がおすすめです。
雨樋は見た目や役割が地味ですが、家の耐久性を向上させるためにも非常に大切な設備の
1つです。
そのため、雨樋が外れた場合はすぐに修理をする必要があります。
雨樋のトラブルが発生したら、板金業者や瓦業者へ相談しましょう。
雨樋についてさらに知りたい場合は、「自分でやる?雨樋を修理する時の7つの工程と交換時の大切なポイント」もご覧ください。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。