「自宅の雨樋がどこのメーカーのものかを知りたい」
「雨樋にロゴを発見したけれど、メーカー名がわからない」
修理や交換の際には、現在使われている雨樋がどこのメーカーであるか、調べなくてはいけません。
メーカーを知るためには、製品に記載されている「ロゴ」を探す必要がありますが、どこに印字されているかわからないことが多くあります。
今回は、スムーズに修理ができるように雨樋メーカーのロゴについて解説します。
・雨樋メーカーのロゴはどこについている?
・雨樋メーカーのロゴ一覧
・他社雨樋との互換性はあるか?
・雨樋のロゴが見つからない時はどうする?
・雨樋メーカーの特徴とカタログ一覧
この記事の内容をチェックすると、雨樋メーカーごとのロゴの特徴が把握できます。
雨樋の修理や交換を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
雨樋メーカーのロゴは、縦樋の表面や軒樋、ジョイント部分に印字されていることが多いです。
高い位置に設置してある部材の場合は、脚立やハシゴなどを使わないと確認できません。
製品の外側ではなく、雨樋の内側に印字されている商品もあるため、建物の外周から探してみても見つけられないケースも多いです。
高所や目視で見えそうもない場合は、業者に調べてもらったほうがよいでしょう。
国内で雨樋を扱っている6つの会社のロゴを紹介します。
・デンカアステック株式会社のロゴ
・エスロン(積水化学工業株式会)のロゴ
・パナソニック株式会社のロゴ
・タキロンシーアイ株式会社のロゴ
・東栄管機株式会社のロゴ
・株式会社クボタケミックスのロゴ
それぞれのロゴの特徴を解説します。
デンカアステック株式会社の製品のロゴは「軍配」のマークが特徴です。
(軍配とは、相撲の行事が判定に使う「うちわ」のような形の道具のことです。)
通称「トヨ雨どい」と呼ばれる製品には、この軍配のマークがついています。
横長の六角形の中に「‘S’-lon」と印字されているのが、エスロン(積水化学工業株式会社)の製品です。
劣化で「S」の部分が薄れてしまって特定しにくい場合がありますが、六角形の枠が残っていればエスロン(積水化学工業株式会社)の可能性が高いでしょう。
パナソニック株式会社は、ゴシック体で「Panasonic」と印字されています。
シンプルな見た目なので、覚えやすいでしょう。
古い雨樋だと「National」と書かれていることもあります。
ナショナルは、パナソニック株式会社の社名変更前の名前です。
タキロンシーアイ株式会社のロゴは「∞(無限のマーク)」が斜めになったようなデザインです。
人によっては「d」と「p」が組み合わさったようにも見えるかもしれません。
二重丸の中に「TSK」と書かれているのは東栄管機株式会社のロゴです。
スリムでシンプルなのでわかりやすいでしょう。
「KC」と書かれているロゴは株式会社クボタケミックスです。
「K」はゴシック体で「C」は三日月のようなデザインなのが特徴です。
昔のクボタシーアイとして使われていたロゴを引き継いでいます。
雨樋の部材は、基本的に他社との互換性はありません。
各社でサイズやジョイントの形が違うため、組み合わせて使用することはできないのです。
大きさが違うまま取り付けると、接合部から雨漏りしやすい状態になります。
雨漏りを未然に防ぐためにも、同メーカーで揃えて使用してください。
現状の雨樋をすべて取り替える場合は、そのタイミングに合わせて別のメーカーを採用するのもよいでしょう。
縦樋や軒樋を確認してもロゴが見つからない場合は、以下の方法を試してみてください。
・新築の場合は設計図を見る
・建築板金業者に調査を依頼する
それぞれの内容を解説します。
新築住宅の場合は、設計図や仕様書にメーカーが記載してあります。
打ち合わせや引き渡しの際に、工務店からもらうパターンがほとんどです。
しかし何年も経っていれば、書類をなくしている恐れもあるでしょう。
書類が見当たらない場合は、家を建てた工務店に聞いてみてください。
住宅の保証期間内であれば、資料を保管している可能性があります。
中古住宅の場合は仕様書がないケースが多いので、専門業者に依頼するとよいでしょう。
雨樋の調査は、建築板金業者が請け負っています。
経験値の高い建築板金業者であれば、製品を見ただけである程度のメーカーはわかります。
もし目視でわからない場合でも、サイズを測ったり形状を確認したりしてメーカーを割り出せるので心配は要りません。
新築の場合でも、工務店側が詳しい部材を把握できていない可能性もあります。
そのような場合も、建築板金業者に調査を依頼するとよいでしょう。
これから雨樋の修理や交換を検討している方は、企業ごとの特徴と主力製品を知っておきましょう。
以下の雨樋メーカーの基本情報を紹介します。
・デンカアステック株式会社
・エスロン(積水化学工業株式会社)
・パナソニック株式会社
・タキロンシーアイ株式会社
・東栄管機株式会社
・株式会社クボタケミックス
それぞれを詳しく解説します。
デンカアステック株式会社は、旧デンカ株式会社と、旧中川テクノ株式会社が統合し、2021年4月に設立されました。
デンカアステック株式会社では、金属製・プラスチック製雨樋の製造と販売をしています。
メインとなる製品は「レガリアRG155F」で、シャープな見た目で軒先に馴染むのが特徴です。
耐候性と耐久性を追求した次世代の樹脂雨樋で、紫外線による色あせにも強くなっています。
レガリアRG155Fのカタログは8ページ目
https://www.denka-astec.co.jp/common/doc/catalog_amadoi.pdf
エスロン(積水化学工業株式会)は、1956年から雨樋の開発を始めました。
多様化する日本の住宅様式や生活環境に対応できるように、日々開発と製造を続けています。
1957年に硬質塩化ビニルでできた「エスロン雨とい」が誕生し、簡単に加工が可能なことで人気を集めました。
エスロンで取り扱っている「超芯LEVOL(レボル)」は世界初の「PET超延伸シート」を雨樋の芯材に使用した新世代の雨樋です。
デザイン性や耐候性にも優れた商品になっています。
超芯LEVOL(レボル)はカタログ 23ページ目
https://www.eslontimes.com/sfiles/kenzai_catalog/rain_gutters/LTK2293_2204.pdf
パナソニック株式会社は、住宅に関する製品を数多く取り扱っている大手企業です。
確かな信頼があるパナソニックの製品は、高品質なものばかりで多くの住宅に採用されています。
パナソニックの「Archi-spec TOI AG120」は、デザイン性と機能性を兼ね揃えている優れた雨樋です。
配管のイメージが強く出るエルボをなくし、景観に馴染むデザイン性を追求しています。
従来よりもスリムな形状ですが、排水能力を高めるサイホン効果を採用しているので機能面も安心です。
Archi-spec TOI AG120のカタログ
https://esctlg.panasonic.biz/iportal/cv.do?c=4883610000&pg=3&v=PEWJ0001&d=activeOut
タキロンシーアイ株式会社は、合成樹脂の成形加工を幅広く展開しており、国内外に16箇所もの製造拠点を設けています。
約1,500億円以上の売上高(2019年度)をあげている、業界大手の企業です。
雨樋の分野では、「ジェットライン」が主要製品です。
ジェットラインは排水能力が高いため、縦樋の本数を大幅に減らせるようになりました。
景観をすっきり見せられるので、見た目にこだわりたい方におすすめです。
ジェットラインのカタログ
https://takiron-ci-catalog.meclib.jp/jetline/book/index.html#target/page_no=1
1965年から硬質塩化ビニル管継手を中心に、下水道で使われている配管や建築資材などの製造販売をしています。
全国の支店や営業所に資材のストックを持ち、即日納品を心掛けているサービス精神が高い会社です。
東栄管機株式会社は雨樋に使われる「継手」や「排水マス」を販売しています。
カラーバリエーションも豊富で、透明なものもあります。
外壁の色に合わせて導入できるので、景観を損ねにくいのがメリットです。
継手・排水マストのカタログ一覧
https://toeikanki.jp/images/catalog.pdf
株式会社クボタケミックスは、2005年に設立された会社です。
漏水の心配が少ない、塩ビ管や継手などを製造・販売しています。
雨樋製品としてよく利用されているのは「タフカラーパイプ」と「継手」です。
建物に合わせやすい5色のラインナップと、耐候性の高さで支持を得ています。
タフカラーパイプ・継手のカタログ
https://kubotachemix-01.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjo2MDM5MywiY2F0ZWdvcnlOdW0iOjU4MzF9&pNo=8
雨樋の修理や交換をしたいときに、自宅で使用しているメーカーがわからないと困ってしまいます。
あらかじめ使っているメーカーを把握しておき、スムーズに対処できるように準備しておきましょう。
自分で判断するのが難しい場合は、建築板金業者に調査を依頼するのがオススメです。
専門家に見てもらうのがもっとも確実なので、ぜひ一度問い合わせをしてみましょう。
雨樋の修理をさらに知りたい場合は「自分でやる?雨樋を修理する時の7つの工程と交換時の大切なポイント」もチェックしてみてください。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。