雨樋から落ちる雨水の音が気になるという方は、意外と多いものです。
豪雨の際は多少の音は仕方がないこともありますが、実は雨樋に不具合が生じている可能性もあります。
この記事では、雨樋から落ちる雨水の音がうるさい理由や対処方法を解説します。
雨樋からの雨水の音にお悩みの方は、ぜひ記事を読んで対処してみてください。
雨水の音がうるさい理由は、雨樋が破損したり詰まったりしている可能性が高いです。
雨樋から溢れた雨水が1階の屋根や地面に勢いよく落ちるため、大きな音を立てているのです。
雨樋が破損していたり詰まったりしている場合は、排水機能が低下しているため雨水が溢れやすくなります。
また、雨樋からの雨水が勢いよく地面に落ちれば、音がうるさいだけでなく、住宅の壁を泥はねで汚したり、基礎を傷めたりします。
音対策だけでなく、住宅を守るためにも早めに雨樋を修理しなければいけません。
雨音がうるさく感じる原因は、雨樋の不具合だけではありません。
実は、雨樋以外が原因で雨音がうるさく感じるケースも多いです。
雨音がうるさく感じる雨樋以外の原因は、主に以下の5つが挙げられます。
・金属屋根
・サンルーム
・窓の上のひさし
・換気口やフード
・雨漏り
原因によっては住宅寿命にも大きく影響を与えることがあるため、雨音に異変を感じた場合は、早急に原因を調査しましょう。
屋根や外壁は、材質によって雨の響き方が異なります。
音は一般的に、薄く軽い材質ほど響きやすいため、トタン屋根のような金属屋根の住宅は雨音が大きいです。
近年人気を高めているガルバリウム鋼板などを使用する場合は、断熱材や防音材を入れるケースが多いため、それほど雨音が気になることはないでしょう。
新築やリフォームで金属屋根を使用する場合は、断熱材や防音材が入っているかを確認した方が安心です。
サンルームやベランダのテラス屋根は、室内空間と比較すると遮音性が低いため雨音が大きく感じます。
雨の日にサンルームやベランダで過ごす人は少ないと思いますので、基本的に対策は不要です。
しかし、隣接する部屋などサンルームからの雨音が気になる場合は、対策が必要となります。
対策としては、防音シートを貼ったり防音シャッターを設置したりするのが効果的です。
窓の上に張り出したひさしは、金属製のものが多いため、雨音が響きやすいです。
さらに、ひさしからの雨音は窓から入ってくるため、防音性に優れた住宅でも音が気になるケースが多いです。
簡単にできる対策としては、ひさしの上に人工芝を敷くことで雨音を軽減できます。
遮音性だけではなく断熱性もあわせて高めたい場合は、二重サッシや複層ガラスを取り入れるなど窓のリフォームが効果的です。
住宅のつくりによっては、換気口や換気扇からの雨音もうるさく感じることがあります。
住宅には、外の空気を取り込むための換気口が複数あります。
空気の通り道が確保されている換気口からは、雨音が響きやすいです。
雨音以外にも、風の音や鳥の鳴き声などが気になることも多いでしょう。
換気口からの音は換気口をふさぐと軽減できますが、室内の空気環境を考慮すると基本的に塞いではいけません。
対策としては、換気口に設置できる吸音材をつめるのがおすすめです。
雨音がいつもと違うと感じた場合は、雨漏りを疑う必要があります。
雨漏りが原因で室内に雨音が響いている場合は、放置すると住宅寿命に大きな影響を与えます。
雨漏りが発生した場合は、早急な修理が必要です。
防音性が高く外の音が気にならない住宅で、急に雨音が大きく聞こえた場合は雨漏りの可能性があります。
他にも、外からの音ではなく室内でぽたぽたと雨音が聞こえる場合は、早急に原因を調査したほうがよいでしょう。
雨樋からの雨水の音がうるさい場合の対策方法は、主に以下の2つです。
・雨樋の詰まりを解消する
・雨樋の破損を補修する
それぞれの対策方法を詳しく説明していきましょう。
雨樋から雨水が溢れている場合、内部がゴミや落ち葉で詰まっている可能性があります。
雨樋をこまめに掃除するか、落ち葉よけネットをつけましょう。
落ち葉よけネットとは、雨樋に落ち葉やゴミが入り込むのを防ぐための網状のアイテムです。
落ち葉よけネットを使えば、大きな落ち葉やゴミなどが雨樋の中に入るのを防げます。
雨樋の一部が破損していたり、ヒビが入っていたりする場合は補修が必要です。
コーキング剤という充填剤でヒビを埋める方法もありますが、応急処置にしかならず長くは持ちません。
雨樋はいくつかの部品で成り立っており、部分的に交換することが可能です。
雨樋の破損やひび割れは、部品を交換したほうが長持ちします。
また、雨樋が広範囲で破損したりひび割れしたりしている場合は、全体の交換を検討する必要があります。
雨樋以外が原因で雨音がうるさく感じる場合は、大規模なリフォームや修繕が必要となる場合もあります。
うるさい雨音を改善するために有効的な方法は、以下の通りです。
・専門業者に調査と修理を依頼する
・リフォームを実施する
・断熱材や制振材を使用する
・防音カーテンを使用する
適切な方法で、うるさく感じる雨音を改善しましょう。
対策を実施する場合、最初に雨音がうるさく感じる原因を明確にすることが重要です。
原因を明確にしないと、適切な方法で改善することができません。
しかし、雨音がうるさく感じる原因は複数ある場合もあり、自身で原因を突き止めて修繕するのは非常に難しいです。
そのため、雨音がうるさく感じる原因の調査は専門業者へ依頼するのが適切です。
屋根からの雨音が気になる場合は屋根の修理業者に、ひさしの雨音が気になる場合はサッシ業者に調査を依頼するのが適しています。
どの業者に依頼したらよいか分からない場合は、地元の工務店や建築板金業者などに相談するとよいでしょう。
うるさい雨音は、防音効果の高い塗料で塗り替えしたり、窓を二重サッシや複層ガラスに変えたりすることで軽減できます。
雨漏りが原因の場合は、屋根の葺き替えやカバー工法など適切な方法でリフォームすることが必須です。
適切な方法でのリフォームは、雨音軽減だけではなく住宅寿命の維持にも効果が期待できます。
しかし、リフォームを実施する場合はまとまった費用が必要です。
住宅寿命や資産価値にも大きく影響するため、信頼できる業者を見つけることが重要です。
雨音対策には、断熱材や制振シートなど防音性を高めることができる素材を、屋根や屋根裏などに設置するのも効果的です。
制振シートとは、板材などに貼り付けることで振動により発せられる音を軽減できるシート状の制振材です。
制振シートや断熱材は、ホームセンターやインターネットからでも購入できます。
しかし、安全性や作業の確実性を高めるため、DIYではなく業者への依頼が無難です。
窓やひさしにあたる雨音が気になる場合は、防音カーテンである程度軽減できます。
防音カーテンは、ホームセンターや家具屋などさまざまなお店で入手が可能です。
リフォームと比較すると、対策に要する費用を抑えられます。
設置に詳しい知識も必要ないため、容易に対策ができます。
ただし防音カーテンは閉じることで効果を発揮するため、光と音の両方をシャットアウトする形になります。
実際に雨樋からの雨水の音対策を行う際にはどのような点に注意すべきか、以下で解説していきます。
雨樋を掃除したり補修したりする際はどのような点に注意すればいいのか、ぜひ確認してみてください。
雨樋を掃除する際は、高所作業となるため転落には十分に注意しましょう。
特に、2階以上の位置にある雨樋の掃除は素人では危険です。
さらに、屋根にのぼって作業する必要がある場合、屋根材を破損させてしまう可能性もあります。
屋根材を破損させてしまうと、補修費用がかかってしまいます。
高所作業であること、屋根材の破損に注意が必要なことから、雨樋の掃除は業者に依頼するのがおすすめです。
また、雨樋の掃除をする際は軒樋の集水器を念入りに手入れしておきましょう。
軒樋の集水器にはゴミや落ち葉が溜まりやすいため、丁寧な掃除が必要です。
掃除の際はケガを避けるために、軍手をはめて行うのがいいでしょう。
集水器の奥にゴミが詰まっている場合は、ワイヤーブラシを使って取り除いてください。
落ち葉よけネットを設置していても、定期的なメンテナンスは必要です。
落ち葉よけネットを設置すると大きな葉っぱやゴミが雨樋の中に入るのを防げます。
しかし、ネットの網目を通り抜けてしまう小さな落ち葉やゴミもあり、掃除を全くしなくてもよい、というわけではありません。
そのため、定期的に落ち葉よけネットを外して雨樋を掃除しましょう。
雨樋の補修は、素人ではきれいに直せなかったり、高所作業で危険だったりするため、業者に依頼した方が安心です。
専門業者に補修を依頼すれば、きれいに仕上がるだけでなく正しい施工によって製品本来の耐用年数を発揮しやすくなります。
費用はかかってしまいますが、今回のお悩みである雨樋からの雨水の音をしっかりと解消できることは大きなメリットとなるでしょう。
雨樋の工事は、安全性や作業の確実性を高めるためにも、業者への依頼が適切です。
業者に雨樋工事を依頼する場合、どれくらいの費用と工期がかかるのか目安を把握しておきたい方も多いのではないでしょうか。
ここからは、費用相場と工期の目安について解説していきます。
雨樋修理は、部分修理と全体工事で費用が大きく異なります。
軒樋や集水器など雨樋の部分修理の場合2〜5万円、全体工事では15〜30万円が相場です。
雨樋修理で安全性や作業性を確保するためどうしても足場が必要な場合は、足場費用として別途10〜30万円がかかります。
一般的な大きさの住宅で、雨樋全体を交換する場合に発生する費用は、足場代込みで40〜60万円が相場です。
さらに、落ち葉よけネットが既設の雨樋についている場合は、時間と手間がかかるため別途費用が発生する可能性があります。
雨樋工事に要する期間は、工事箇所や範囲によっても異なります。
部分修理のような簡単な補修や修理であれば、半日程度で完了します。
全体工事の場合は、2~3日が工期の目安です。
ただし足場を設置する場合は、設置と解体でそれぞれに時間を要します。
雨樋に関するよくある質問は、以下の通りです。
・雨樋のメンテナンスの時期って?
・雨樋は塗装した方がよいのですか?
・雨樋工事に保証はありますか?
1つずつ確認していきましょう。
雨樋は、取り付け後5〜10年に1回のペースで点検を実施するのがおすすめです。
また雨樋全体を遠くから眺めることで、歪みなどに気付くこともあります。
住宅の不具合は、早期発見でメンテナンス費用を抑えられるため、日ごろから雨樋を眺める習慣をつけるとよいでしょう。
雨樋の塗装は、美観を維持するためのものです。
現在主流の硬質塩化ビニール製の雨樋は、塗装で耐久性が向上することはありません。
住宅の美観を良くしたい場合には、雨樋を塗装したほうがよいでしょう。
一方で、板金製の雨樋については定期的な塗装が必要です。
雨樋工事の保証は、メーカー保証や業者の保証などさまざまです。
雨樋専門リフォームパートナー(運営:ウチノ板金)では、雨樋のリフォーム工事に関して5年間の保証をいたします。
使用する雨樋によっては、水漏れや変色差保証が5年・10年とメーカーによる保証が付いているものもあります。
保証の詳細については、お気軽にお問い合わせください。
豪雨でもないのに大きな雨音がする場合は、雨樋の詰まりや破損などが起きていて、排水機能が低下している可能性が考えられます。
放置すると家の壁や基礎が傷むこともあるので、早めに補修を行いましょう。
雨樋が詰まらないようにするためにも掃除は定期的に行ってください。
雨樋の掃除や補修は高所作業のため、作業が不安な方は専門業者への依頼をおすすめします。
雨樋の修理を考える場合は「自分でやる?雨樋を修理する時の7つの工程と交換時の大切なポイント」をチェックしてみてください。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。