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コラム

雨樋の接着剤にはどんな特徴がある?使い方やはがし方、注意点も解説

雨樋接着剤

「雨樋の接着剤にはどんな特徴があるの?」
「接着剤の使い方や使う際の注意点を知りたい」
こういった疑問を持っている人は多いでしょう。
この記事では修理に必要な雨樋の接着剤についてわかりやすく説明していきます。
具体的には以下の情報を解説します。

・雨樋の接着剤の特徴
・雨樋の接着剤の使い方
・雨樋の接着剤のはがし方
・雨樋の接着剤を使用する際の注意点

雨樋を自分で修理したい方は、接着剤について知ることで失敗を避けやすくなるでしょう。ぜひ記事をチェックしてみてください。

 

雨樋の接着剤の特徴

縦継手

雨樋の接着剤の特徴は速乾性と耐水性、耐久性の3つです。
速乾性は、接着部分を素早く乾燥させ、頑丈に固定します。
耐水性と耐久性は、外の雨風から接合部分を守ってくれるでしょう。
雨樋の接着剤は修理だけでなく、集水器やパイプなどの部品同士を接続する際にも使用可能です。
雨樋の接着剤は硬質塩ビ(塩化ビニル樹脂)同士を溶かして接着させるため、塩ビ波板の補修にも使用されます。

 

雨樋の接着剤を主に使用する箇所

F型集水器の写真

雨樋の接着剤は、主に以下の5つの部材を設置する際に使用するケースが多いです。

・集水器
・継手
・エルボ
・止まり
・寄せマス

それぞれの部材の役割を、詳しく解説していきましょう。

 

集水器

集水器とは、軒樋に流れた雨を集めて縦樋へと流す役目を担っている部材です。
水分や粉末を移し替える際に使用する漏斗(ろうと)のような形をしています。
軒樋を集水器でつないだり、軒樋に穴をあけて接着剤を使用したりして固定します。

軒樋にはめ込むだけでは、水圧に負けて外れてしまうでしょう。
軒樋から集水器に流れ込んでくる雨水の量が多いほど負荷もかかるので、しっかりと接着剤を使って固定しなければいけません。

 

継手

継手とは、雨樋同士をつなぐための部材です。
軒樋をつなげる場合は軒継手、縦樋をつなぐタイプは縦継手といいます。
雨樋同士をつなげるため、継手はしっかりと固定されなければいけません。

そこで、雨樋専用の接着剤を使用します。
継手が雨樋の中を流れる雨水の水圧や外部からの刺激に負けないように、専用の接着剤を使って固定しましょう。

 

エルボ

エルボとは、縦樋の向きを変更する際に使う部材です。
L字型をしているため、肘を意味する「エルボ」という名がついています。

エルボも雨や風によって負荷がかかりやすいです。
そのため、しっかりと専用の接着剤で取り付ける必要があります。

 

止まり

止まりとは、軒樋の端に取り付けて雨水をせき止める役割を持つ部材です。
止まりがなければ、雨水は軒樋の端から地面に直接落ちて、地面をえぐったり壁や建物の基礎部分を汚したりするでしょう。

止まりは激しい雨が降った際に、一定量の水をせき止める役目を担います。
そのため、軒樋にただはめておくだけでは簡単に外れてしまうでしょう。

止まりは軒樋にぴったりとはまるように設計されていますが、外部からの衝撃に備えるために、接着剤での固定が必要です。
特に、台風の際に外れたり壊れたりすると、雨樋自体もダメージを受けるでしょう。

雨樋の寿命を維持するためにも、止まりは専用の接着剤でしっかりと固定しましょう。

 

寄せマス

寄せマスとは、2つ以上の集水器や縦樋を1つに集める場所に取り付けます。
たとえば、2階の屋根をぐるりと囲むように軒樋が設置されている場合は、集水器は2箇所以上設置されていることもあります。

このような場合に、集水器の先の縦樋を1つにまとめるために、寄せマスを設置して対処します。
当然、寄せマスには水圧による大きな負荷がかかるので、設置する際は雨樋用の接着剤を使いましょう。

 

雨樋の接着剤の使い方

雨樋接着剤2

雨樋の接着剤を使う際は、3つの工程を行います。

・接着部の掃除
・接着剤の塗布
・新しい部材と接着部分を固定

丁寧に作業を進めることで、接着部分のつき具合も一段と良くなり、しっかりと固定されます。それぞれどのように行うのか、解説していきましょう。

なお、雨樋の雨漏りを完全に止めるには接着剤だけでは足りず、新しい雨樋部材が必要です。

 

接着部分の掃除

接着しやすくなるように、カビやコケ、汚れなどは丁寧に取り除きます。
こびりついているほこりや泥をヘラでこそぎ落とし、ブラシで集めて捨てるか、水できれいに流しましょう。

また、さびや油などの汚れもきれいに取り、必ず水分は乾燥させます。
雨樋が変形していたり、破損をしている場合は新しい部材を準備して下さい。

 

接着剤の塗布

接着剤は新しい部材側に塗布します。
速乾性が高いため、塗布後はすぐに既存の雨樋に取付けます。
塗布する量は、適量を意識しましょう。

 

新しい部材と接着部分を固定

新しい接着剤は外気温にもよりますが、30分程度で殆ど固定されますので、それから雨が降っても大丈夫です。
24時間程度で完全固定され、触っても動かなくなります。

 

雨樋の接着剤のはがし方

リバーシブル雨樋

雨樋をはがすときは、接続部分にヘラやドライバーを差し込みます。
少しずつ力を加えて、ゆっくりとはがすようにしましょう。
雨樋や金具は老朽化しているため、強度が下がっており、強い力を与えると簡単に壊れてしまいます。

ゆっくりはがそうとしても、ほとんどの場合、雨樋が割れてしまいます。
きれいにはがせることができたら、ラッキーくらいです。

 

雨樋に接着剤を使用する際の注意点

雨樋金具の間隔の寸法を測っている画像

雨樋に接着剤を使用する際、注意することは主に以下の5つです。

・隙間ができないようにする
・接着剤を塗布後すぐに接着させる
・24時間以内は強い力を与えないようにする
・高所作業は業者に依頼する
・子どもが触らないようにする

それでは、わかりやすく解説していきましょう。

 

隙間ができないようにする

接着部分の隙間ができないようにすることで、雨漏りの原因を避けることができます。
隙間を作らないポイントは、接着部分をよく拭いてきれいにすることです。
さらに、雨樋専用の接着剤を使うことで、密着度を高めることができます。

 

接着剤を塗布後すぐに接着させる

接着剤を塗布した後は、新しい部材を素早く接合させましょう。
雨樋の接着剤は速乾性に優れているため、接着させるまで時間を置くと塗布した接着剤部分が固まってきてしまいます。
硬化し始めてから接着させると、強度が落ちてしまうので、注意が必要です。

 

24時間以内は強い力を与えないようにする

接着剤を塗布後、24時間以内は強い力を与えてはいけません。
誤ってはしごをかけたり、建材を立てかけたりしないように注意しましょう。
きれいにくっついた接合部も24時間以内は衝撃を受けやすく、破損の原因につながります。

 

高所作業は業者に依頼する

ほとんどの場合、雨樋は高所に設置されているため、作業は業者に依頼すると安心です。
高所での作業に慣れていない方が接着剤を使用して雨樋の修理や交換をするとなると、転落事故が起こる可能性が高いです。
また、施工不良が起きて雨漏りの原因になる場合もあるでしょう。

危険を冒してDIYで作業しても、ケガをしたり施工不良となったりしては、逆に費用がかさんでしまいます。
雨樋の耐久性も維持できるため、高所での作業は専門業者に依頼しましょう。

 

子どもが触らないようにする

雨樋の接着剤は食べたり目に入ったりしたら危険なので、子どもが触らないように注意が必要です。
雨樋専用の接着剤は一般的なタイプよりも粘着力が高いため、うっかり皮膚につくと皮が剝がれてしまったり、炎症を起こしたりすることもあるでしょう。

雨樋専用の接着剤はしっかりとふたを閉めて工具箱の中にしまい、子どもの手に触れないようにしましょう。

 

雨樋補修は接着剤ではなく交換修理がおすすめ

集水器 人物

雨樋が破損した場合は、接着剤でつけて直す方法もありますが、あくまでも応急処置なので交換修理をしましょう。
接着剤で補修しても、またすぐに破損が再発する場合が多いです。
接着剤で補修できるのは、エルボや継手などの部材が外れてしまった場合で、雨樋に破損がないときです。
補修方法の見極めが難しい場合は、業者に依頼して点検してもらうようにしましょう。

 

雨樋には専用の接着剤を使ってしっかりと固定!

雨樋カバー6

雨樋の掃除や点検を定期的に行うことは、家を守ることへとつながります。
雨樋の修理に欠かせない接着剤や部品はホームセンターで安く購入できます。
必要な道具をそろえて、丁寧に作業をこなしていけば自分で修理することも可能です。
雨樋の修理には必ず専用の接着剤を使い、十分に固定しましょう。

雨樋同士を接続する際は軒継手や縦継手を使用するのが一般的です。
接着剤のみで接続する場合は一時的な応急処置程度であり、雨漏りが完全に止まることはないと考えてください。
長持ちをさせるためには新規の部材が必要です。

他に、雨樋を修理するポイントを知りたい場合は「自分でやる?雨樋を修理する時の7つの工程と交換時の大切なポイント」をチェックしてみてください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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