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コラム

雨樋の鎖樋の役割が知りたい!付け方もわかりやすくご説明します

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「雨樋の一部である鎖樋について詳しく知りたい」
「鎖樋の付け方について知りたい」

そんなあなたへ、雨樋の鎖樋の詳細と、取り付ける方法を紹介します。
鎖樋は、雨水の流れを目と耳で楽しめる建材として、海外でも需要があります。
日本ならではの風流な鎖樋が、国内外問わず好まれているのです。
こちらの記事を読むことで、鎖樋の魅力がよりわかるでしょう。
また、取り付け方や固定方法についても知識を得られます。

 

雨樋の鎖樋とは

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鎖樋は、一般住宅や神社、お寺などの建物で使用されている雨樋の一部のことです。
軒先から地面に向かって垂らす、鎖状の雨樋です。
鎖樋は日本家屋に設置されることが多いため、最近では一般住宅で見かけることが少なくなってきました。
また、鎖樋にはリング状や花びら状、チューリップ状などさまざまなデザインがあります。
鎖樋の材質は塩化ビニル樹脂(プラスチック)やステンレス、銅などが主流です。
塩化ビニル樹脂は価格が安いので手軽に使用できます。
ステンレスや銅は高価ですが見た目がよいメリットがあります。

 

雨樋の鎖樋の役割

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鎖樋の役割は以下の2つです。

・雨水を排水する
・雨水の流れを見えやすくする

それぞれの役割について、詳しく紹介します。

 

雨水を排水する

鎖樋は、縦樋と同じく雨水を排水する役割があります。軒樋から流れてくる雨水は、鎖樋をつたって地上まで落ちるでしょう。
鎖樋を用いることで雨が軒先から直接垂れて地面を削ることを防げます。

また、建物が軒先や軒樋から落ちてくる雨水で濡れることも防止できるでしょう。
鎖樋のおかげで、建物や敷地が雨水でダメージを受けたり、劣化したりすることを防げます。

 

雨水の流れを見えやすくする

鎖樋は雨水の流れが見えやすくなり、情緒や趣を感じられます。一般的な縦樋はパイプ状になっており、雨水の流れは見えません。

鎖樋は日本が発祥といわれており、つい見入ってしまい時間を忘れてしまうほど、風情がある情景です。
味わい深い鎖樋は、風情を楽しみ重んじる日本ならではの建材といえるでしょう。

 

雨樋の鎖樋の素材

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鎖樋には、主に以下のような素材が使用されています。

・ステンレス
・銅
・プラスチック
・真鍮(しんちゅう)

耐久性や見た目の美しさなど、素材ごとに特徴があります
それぞれの素材の特徴について、以下で詳しく解説していきましょう。

 

ステンレス

ステンレスで作られた鎖樋は、耐久性の高さが最大の強みです。
ステンレス素材はサビが発生しにくい上に非常に硬度が高く、簡単に変形したり破損したりしません。

ただし、表面に光沢があるタイプのステンレスの鎖樋は、物が当たると細かなキズがつきやすいデメリットがあります。
ステンレスは、何よりも耐久性の高さを重視するという方におすすめの素材です。

 

銅製の鎖樋は、風情のある見た目や優れた耐食性が特徴です。
新品の銅製の鎖樋は美しい赤銅色で光沢があります。
また、耐食性も高く、雨風や日光にさらされる環境でも優れた耐久性を発揮します。

ただし、銅は経年により表面の色が変化しやすい金属です。
空気や水に触れると緑青と呼ばれる緑色のサビが発生して、新品時の光沢は失われてしまいます。

しかし、趣のある景観にはなるでしょう。
新品時の光沢は長続きしないものと考えて、変色後の鎖樋が景観にマッチするかどうかを考慮した上で選ぶようにしましょう。

 

プラスチック

プラスチック製の鎖樋は、価格の低さがメリットです。
見た目は金属製の鎖樋とさほど変わらず、ひと目ではプラスチックとはわからないような製品も販売されています。

ただし、プラスチック素材は金属製と比べて柔らかいため、耐久性はやや低いです。
また、使われているプラスチック素材によっては紫外線を受け続けると劣化しやすいです。

耐久性はやや劣る代わりに、お手軽に導入できる点がプラスチック製の鎖樋の強みといえるでしょう。

 

真鍮(しんちゅう)

真鍮製の鎖樋は、見た目の美しさと強度の高さが特徴です。
銅と亜鉛の合金素材を真鍮と呼びます。
そのため、真鍮製の鎖樋は銅製に似た性質を持ち、同じように緑青も発生します。
金属素材であるため強度は十分に高く、緑青こそ発生しますが、腐食してボロボロに壊れるということはありません。

新品時は美しい光沢がありますが、雨風にさらされる環境で使用するとだんだんと落ち着いた味のある色に変わっていきます。
真鍮は趣のある鎖樋を設置したいという方におすすめの素材です。

 

鎖樋の選び方

鎖樋

鎖樋を選ぶ際に重要なポイントは、以下の3つです。

・耐久性
・価格
・外観

選び方のポイントをそれぞれチェックしていきましょう。

 

耐久性

耐久性の優れた鎖樋を設置したい場合は、以下の3つの素材を選ぶのがおすすめです。

・ステンレス
・真鍮
・銅

上記のような金属製の鎖樋であれば、長期間でも安心して使用できます。
いずれの素材も、腐食やサビが発生することはありません。
お気に入りの鎖樋を見つけたら、長く楽しみたいと思うはずです。
そのため、耐久性の高い素材の鎖樋を選ぶようにしましょう。

 

価格

価格の低さを重視する場合は、プラスチック製の鎖樋がおすすめです。
プラスチック製でも、金属製の鎖樋によく似せて作られた製品もありますので、景観を大きく崩すことなく使用できます。

 

外観

外観を重視する場合は、以下の2つの金属素材がおすすめです。

・真鍮
・銅

真鍮と銅は、空気や水に触れると変色して、緑色の緑青と呼ばれるサビが表面にあらわれます。
この緑青が、日本家屋の雰囲気にとてもマッチするのです。

緑青の色は、鎌倉大仏のような色を想像していただくとイメージしやすいでしょう。
金属素材の経年変化を楽しみつつ、趣のある雰囲気が楽しめます。

 

雨樋の鎖樋の付け方

鎖樋の付け方は、取り付ける軒樋や形状によって異なります。
鎖樋のタイプ別に、それぞれの付け方を解説します。

 

筒や玉タイプの鎖樋の場合

鎖樋2

筒や玉のかたちの鎖樋は、長ネジと六角ナット2つを使用して取り付けます。
また、必要に応じてコーキングを施しましょう。
角樋と丸樋それぞれの付け方は以下のとおりです。

 

【角樋】
1.樋に鎖樋のサイズに合った穴をあける
2.穴の中心に集水器を設置する
3.鎖樋の端に長ネジと六角ナットを取り付ける
4.集水器の穴から長ネジを引き上げる
5.長ネジを吊り金具の穴に通す
6.長ネジを2つめの六角ナットで固定する
7.上から蝶ナットでさらに締める
8.完了
強風によってナットや蝶ナットが緩まないように、しっかりと固定しましょう。

 

【丸樋】
1. 樋に鎖樋のサイズに合った穴をあける
2. 切込部は垂直に折って下に曲げる
3. 鎖樋の端に長ネジと六角ナットを取り付ける
4. 集水器の穴から長ネジを引き上げる
5. 長ネジを吊り金具の穴に通す
6. 長ネジを2つめの六角ナットで固定する
7. 上から蝶ナットでさらに締める
8. コーキング剤で吊り金具を固定する
9. 完了
丸樋に鎖樋を取り付ける際、固定金具は角樋とは逆の山型に設置することを覚えておきましょう。

 

リングや花びら状、チューリップ状タイプの鎖樋の場合

リングや花びらの形をした鎖樋は、ステンレスワイヤーを使用して取り付けます。
角樋と丸樋それぞれの付け方は以下のとおりです。

 

【角樋】

1.樋に鎖樋のサイズに合った穴をあける
2.穴の中心に集水器を設置する
3.鎖樋の端にステンレスワイヤーを通す
4.集水器の穴からステンレスワイヤーを引き上げる
5.吊り金具にステンレスワイヤーをくくりつける
6.余分なワイヤーを切り落とす
7.完了
固定した鎖樋が、集水器の穴の中心に来るように設置しましょう。

 

【丸樋】
1.樋に鎖樋のサイズに合った穴をあける
2. 切込部は垂直に折って曲げる
3. 穴に吊り金具を置く
4. 鎖樋の端にステンレスワイヤーをかける
5. 穴から引き上げる
6. 吊り金具にステンレスワイヤーをくくりつける
7. 余分なワイヤーを切り落とす
8. 完了
軒樋の穴は、設置する鎖樋ごとにサイズが異なります。
施工の際は、サイズミスをしないように気をつけましょう。

 

鎖樋の固定方法

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地面に向かってつたう鎖樋の先に、錘(おもり)をつけて固定します。
鎖樋を錘に固定する際は、ワイヤーを使います。
ワイヤーで錘に固定することで、風が吹いても鎖樋が遊びません。
鎖樋を固定する際、砕いた石を錘の周りに敷き詰めておくと、強い風が吹いても泥や水はねを防げます。

地面に「アンカー」と呼ばれる金具を打ち込んで、鎖樋を固定する方法もあります。
地面にしっかりと金具を打ち込むため、錘を使って固定するよりもしっかりと安定します。
どんなに強い風に煽られても、アンカーが正しく地面に打ち込まれていれば鎖樋が抜けることはありません。

アンカーの固定方法は簡単です。
地面に打ち込んだアンカーと、雨樋から下がってきた鎖樋をワイヤーやボールチェーンなどでつなぐだけです。
ただし、コンクリートや土など、固定箇所の状況によっては最適なアンカーの選び方が変わります。
パーツを購入する前に、設置状況を確認しておきましょう。

しかし、錘やアンカーを固定せずに放置しておくと、風で揺れた鎖樋が建物を傷つける場合があります。
また、鎖樋が風で激しく揺れることで、ネジやワイヤーが緩み外れてしまう可能性もあるでしょう。

鎖樋は安全のためにも、しっかりと固定しなければなりません。

 

雨樋の鎖樋はチェーンタイプの縦樋で見た目もおしゃれ

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日本の情緒を感じさせる鎖樋は、海外でも人気があります。
パイプタイプの縦樋と違い、雨水がつたう鎖樋は見た目もおしゃれです。
デザインも豊富なため、建物に合った鎖樋を選びやすくなっています。
鎖樋の取り付けや固定には、専門技術が必要となるため、設置を検討する方は専門業者へ相談してみましょう。

他に、雨樋を修理するポイントを知りたい場合は「自分でやる?雨樋を修理する時の7つの工程と交換時の大切なポイント」をチェックしてみてください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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