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コラム

縦樋(竪樋)が破損したらどう修理すればいい?方法や費用をわかりやすく解説!

縦樋が飛散した写真2

「縦樋(たてとい/たてどい)が壊れた場合ってどうすればいいの?」
「縦樋を修理する費用ってどのくらいかかるの?」

縦樋が壊れた場合はこういった疑問が思い浮かぶことでしょう。

リフォーム会社や建設会社などの営業マンで縦樋について詳しく知っている人は少ないです。縦樋の知識を持っていないと間違った修理方法にお金を払ってしまう可能性があります。
この記事では実際に雨樋の工事をしている職人が縦樋の修理を考えている人の悩みを解消します。具体的には以下の情報を解説します。

・縦樋の修理が必要な破損の状態
・縦樋の修理方法
・縦樋の修理にかかる費用相場
・縦樋を修理する際の注意点

記事を読んで上記を把握しておけば、縦樋の修理で失敗を避けやすくなるでしょう

 

縦樋(竪樋)の修理が必要な破損状態

雨樋は屋根から直接雨水が流れる軒樋(のきとい/のきどい)と軒樋から地中へ流す縦樋で構成されています。
リフォーム会社や建設会社などによっては縦樋を竪樋(たてとい/たてどい)と書くこともあります。しかし、どちらも意味は同じです。一般的には縦樋と書くことが多いのでこちらで覚えて問題ありません。

縦樋には大きく分けて「変形」「割れ(飛散)」「亀裂」の3種類の状況があります。それぞれの原因と考えられる状況、放置すると起こる問題を解説していきましょう。

 

変形

縦樋の破損

縦樋の変形は基本的には外部からの衝撃によるものがほとんどです。また紫外線によって経年劣化をすることもあります。
大雪や大雨や大風(台風)の影響も可能性としてはありますが、縦樋の「変形」ということであれば、上記の2点が大きな原因として挙げられます。

縦樋が雨の流れを止めてしまったりするような変形をしている場合は早めに修理をしたほうがよいと考えられます。ただし、排水機能に問題がなければ、急いで修理をしなくてもよいでしょう。

 

割れ(飛散)

縦樋が飛散した写真

割れの主な原因は外部からの衝撃です。ただし、取り付け直後の樋は比較的柔軟性があるため、ボールや荷物がぶつかった程度では一般的には破損しません。
逆に10年以上経過した雨樋は柔軟性を失って割れやすくなっており、多少の衝撃でも破損する可能性があります。

縦樋が割れると樋の外側に雨水が流れ出します。
外壁に打ち込んである縦樋金具を通じて建物内部に水が侵入することで、縦樋が降りてきている箇所に水たまりが発生するでしょう。

特に建物内部への雨水の侵入は、見えないところで大切な住宅の劣化を進めます。早めの対応が必要です。
このほか、縦樋が割れた次は「飛散」に繋がります。
縦樋が飛散すると周囲の住宅や車に被害を与えてしまうことがあります。
周囲の方にご迷惑をお掛けする前に修理をすることをおすすめいたします。

 

亀裂

縦樋に亀裂が入った写真

亀裂というのは縦樋表面が裂ける状態のことです。
縦樋の主な亀裂の原因は外部からの衝撃です。車が当たったり、自転車が倒れた位置に縦樋があったりすると、衝突の衝撃で亀裂が入ってしまいます。

また、一般住宅には塩化ビニル樹脂製の商品が主に使用されています。
塩化ビニル樹脂は年数が経つにつれて硬くなる特徴があります。
硬くなる理由は、可塑剤(かそざい)と呼ばれる、塩化ビニル樹脂の素材を柔らかくする物質が経年により失われていくためです。

柔らかい部分が硬くなると、ちょっとの衝撃でも亀裂が入りやすくなりますので、経年劣化が原因のひとつになります。
そのまま放置すると小さな衝撃でも割れを引き起こしてしまうでしょう。

 

雨樋が割れたり折れたりする理由

呼び樋縦樋2

雨樋が割れたり折れたりしてしまう原因は、主に以下の3つです。

・経年劣化
・台風や雪などによる被害
・施工不良

それぞれの原因の詳細を、以下で解説していきましょう。

 

経年劣化

経年劣化によって雨樋の素材がもろくなり、破損してしまう場合があります。
住宅に施工されている雨樋の素材で一番多いのは、硬質塩化ビニールです。
硬質塩化ビニールは、紫外線によって劣化しやすい素材です。

また、ほかの素材であっても雨や風に長くさらされているため、劣化してきます。
雨樋の劣化が進行すると自然に亀裂が発生したり、少しの衝撃でも折れてしまったりします。

雨樋が紫外線や雨風にさらされる環境に設置されている以上は、経年劣化を避けることはできません。
5〜10年程度のスパンで定期的に点検やメンテナンスを行い、劣化症状を発見したら交換しましょう。

 

台風や雪などによる被害

台風や積雪が原因で雨樋が破損してしまうケースもあります。
強い風や、降り積もった雪で負荷がかかってしまうためです。
自然災害による雨樋への被害は、主に以下のような症状があります。

・継手が外れてしまう
・雨樋が折れる
・雨樋が変形する
・雨樋の金具が外れる

台風や雪といった天候による被害は完全に防ぐことはできません。
しかし、定期的に雨樋をメンテナンスすることで、被害の発生をできるだけ減らすことは可能です。

 

施工不良

雨樋の設置や修理時に施工不良があると、通常では破損しない程度の雨や風で折れてしまうことがあります。
例えば、雨樋を固定する金具の取り付け具合が不十分だった場合は、少しの雨風で外れて雨樋が破損してしまうでしょう。

また、金具を取り付ける間隔が正しくなかったり、サイズを間違った雨樋を設置したりしている場合も破損の原因になります。

 

縦樋を修理する方法

縦樋を修理する方法は2つあります。ひとつはテープによる補修、もうひとつは縦樋の交換です。

 

補修テープ

雨樋修理テープ3

テープで補修できる症状は小さな割れになります。
具体的には縦樋に発生した1~2cm程度の穴を塞ぐことです。

交換する方法に比べ、手軽で簡単にできることから時間もかからず、安く修理できます。
しかし、テープでの補修は応急処置と考えるようにしましょう。
理由としてはテープには雨樋と同等の耐久性、接着性を持つ商品は一般的にはないので、同じ状況が再発する可能性が高くなります。

テープに付着している接着剤が樋の部材に含まれている可塑剤の移行を促進する成分をもつこともあります。こうなるとテープが付着している部分の劣化を早めてしまう原因にもなります。
テープでの補修は応急処置と考え、早めに交換しましょう。

 

交換

縦継手

「部分的な交換」による樋の修理はほとんどの状況に対応可能です。
ただし、雨樋の種類によっては販売が終了している商品もあるので、同じ材料がないため修理できないこともあります。
部分交換での修理は、今付けている雨樋と同じ物を使うため、部分的ではあるものの新築当初の状態に戻すことが可能です。
しかし、交換は色や劣化の度合いが部分的に変わってしまうため、雨樋全体の4分の1以上の交換が必要な場合は全体的な交換も考えましょう。

「雨樋全体の交換(軒樋・縦樋含む)」は全体的に破損している場合に適した修理方法です。
最近では一時的な大雨に対応するため、現在の樋より大きい商品を付けることが多くなってきました。
新規取り付けの際に重要になってくることは業者選びです。良い業者とは適正な価格でしっかりした施工をする会社です。
適正な価格を一概にお伝えすることは難しいものの、一般的な大きさの家の雨樋の交換は軒樋(横樋)と縦樋の交換で足場設置費用も合わせると40~60万円程度になります。
ひとつの目安としてお考えください。

また、しっかりした施工を見分けることも簡単ではありません。
しかし、よい施工業者を見分ける方法があります。

それは雨樋金具の間隔です。
一般住宅での金具の間隔は軒樋金具で45~60cm、縦樋で90~110cmくらいが一般的です。
雨樋によっては軒樋金具が1mあけてもよい商品もありますので確認が必要です。
間隔が狭い分には問題ありません。
しかし、広いと水や雪の重さに耐えられなくなる可能性があります。

金具は何cmの間隔で取り付けたかを業者に質問をしてみてください。
的確な返答ができる業者はしっかり知識のある会社だと考えられます。

 

縦樋の修理にかかる費用相場

費用2

縦樋の修理にかかる費用は足場の設置があるかないかで金額が大きく変わります。
全体修理のようにハシゴでの作業が難しい場合は足場が必要です。
足場の必要性については屋根の形状、隣接する建物との距離によって変わります。

縦樋の部分修理にかかる費用
・足場なし 2~6万円
・足場あり 12~20万円

縦樋を含む雨樋の全体交換にかかる費用
・足場あり 40~60万円

雨樋の全体交換では原則として足場を使います。
補修テープを使って自分で修理する場合は人件費がかからないため工事費が安くなります。一般的には、3万円以下に抑えられるでしょう。しかし、高所での作業は危険なため安全性を考えて業者に依頼しましょう。

 

縦樋の修理にかかる費用を抑えるコツ

費用3

雨樋の修理費用を抑えるためには、以下の2つのコツをチェックしてみてください。

・破損したら早めに補修する
・火災保険の利用を検討してみる

それぞれのコツの詳細を解説していきましょう。

 

破損したら早めに補修する

雨樋が破損しているのを発見したら、早めに補修することが重要です。
基本的に、破損が一部であれば部分交換で修理できます。

しかし、破損している雨樋を放置してしまうと、状況が悪化して補修箇所が増えてしまいます。
補修箇所が増えると、交換する部材の代金や施工費がさらにかかることになるでしょう。

また、雨樋の破損は雨漏りにつながる可能性もあります。
雨漏りが発生した場合は、さらに修理費用が高額になります。
雨樋の破損を発見したら、早めに補修するのが費用を抑えるための何よりのコツです。

 

火災保険の利用を検討してみる

雨樋の破損の原因が規定の自然災害である場合は、火災保険を適用して修理できるケースがあります。
雨樋の破損に対して火災保険を適用できる可能性があるのは、主に以下のような被害が原因の場合です。

・台風や竜巻などでの破損(風災)
・大雪による破損(雪災)

さらに、火災保険で雨樋を修理するためには、次に示す条件を満たしている必要があります。

・修理費用が20万円以上である
・破損から3年以内の申請である

また、風災の場合は瞬間最大風速が20m以上の強風が破損の原因である必要があります。
基本的に上記の条件を全て満たしている場合のみ、火災保険を申請することが可能です。

ただし、最終的な修理費用の支払いの可否は、火災保険の契約内容や保険会社の審査によって決定します。
事前に火災保険の補償内容をよくチェックしておくことで、突然のトラブルにも慌てずに対応できます。

自然災害による雨樋の破損に備えて、火災保険の補償内容をチェックしておきましょう。

 

縦樋を修理する際の注意点

縦樋に亀裂が入った写真2

縦樋を修理する際の注意点が2つあります。
知らずに工事をすると無駄な費用や労力がかかるためぜひチェックしておきましょう。

 

破損状態に合わせて修理方法を決める

縦樋を修理する際には破損状態に合わせて修理方法を決める必要があります。
基本的には業者に相談することが一番です。
瓦屋、建築板金屋が雨樋専門の工事業者です。近くの瓦屋、建築板金屋に相談しましょう。

 

2階以上の部分の修理は業者に依頼する

2階以上の高さの雨樋修理は必ず業者に相談しましょう。
経験を積んだ優良な業者でも2階以上の高さをハシゴで作業することはほとんどありません。
足元がしっかりしてないと良い施工ができないからです。

雨樋の部分交換や、ベランダから脚立で届くなどの条件によっては足場なしで工事する場合もあります。
しかし、地面に足をつけて作業ができない場合は必ず業者に相談しましょう。

 

縦樋の修理を安心して依頼できる業者の特徴

縦樋に亀裂が入った写真2

以下に示すような特徴がある業者には、安心して縦樋の修理を任せられるでしょう。

・雨樋修理の工事を多く経験している
・担当者が丁寧な接客をする

それぞれの詳しい内容を、解説していきます。
「どんな業者に修理を任せると安心なのか」とお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。

 

雨樋修理の工事を多く経験している

雨樋修理の工事を多く行っている業者には、安心して依頼できます。
雨樋の形状や状態は住宅によってさまざまです。
多くの経験を積んだ業者は、さまざまなシチュエーションでの工事に慣れているため、最適な修理方法を選択できます。
また、業者の選定の際には、雨樋の工事を専門に行う「建築板金業者」を選びましょう。

 

担当者が丁寧な接客をする

担当者が契約する前から丁寧に対応してくれる場合は、信頼できる業者である可能性が高いです。
修理業者を選ぶ際には、まずは修理内容について詳しく質問してみましょう。

質問の答えを丁寧に教えてくれる業者は、知識があり、依頼主を大切にする会社です。
質問内容を曖昧に返答する場合や、接客態度が悪い業者は避けた方がよいでしょう。

 

縦樋は雨水の排水機能を維持する大事な建材!早めに修理をしよう

角マス寄せマス2

縦樋は雨水を建物の外部を通し、速やかに地中へ流す役目を持っております。
破損や割れなどによって道筋が変わり、建物の内部へ浸入すると大事な建物の劣化が加速してしまう場合があります。

大切な住居を守るために早めの対応が必要です。
おすすめとしては5~10年に一度は業者に点検をお願いすることです。
破損や変形といった箇所を見つけた場合、補修テープでの修理は避け、部分的でも交換をしましょう。

衝撃が原因の割れや破損ではない場合は、雨樋自体が劣化して寿命を迎えている可能性があります。
業者に点検をお願いする時期だと考えて一度相談してみましょう。

他に、雨樋を修理するポイントを知りたい場合は「自分でやる?雨樋を修理する時の7つの工程と交換時の大切なポイント」をチェックしてみてください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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