普段は気にもしない「雨樋(あまどい)」の存在。
しかし雨樋が破損すると壊れた部分から雨水が垂れ、建物を傷めたり、雨音でストレスがたまったりして不快な思いをします。
雨樋は365日24時間、家族を守ってくれています。
もちろん製品の寿命もあり、壊れた時は交換・補修をしなければいけません。
ここでは簡単にできるセルフチェックの方法を3点ご紹介いたします。
まず簡単なチェックとしては雨樋の設置年数です。
雨樋は1回目は新築時に取付けられます。
よって一度も雨樋を交換したことないということであれば、「築年数=雨樋の設置年数」となります。
一般的な日本の塩ビ(プラスチック製)の雨樋の寿命は20年~30年です。
まずはこの年数を目安としていただきたいと思います。
この年数以下で不具合があるということは「施工不良」か「自然災害の影響」と考えられます。
次は見た目です。
雨樋は日に当たり劣化をすると色が褪(あ)せてきます。
近年の物は色褪せがしにくく良い製品が開発されてきましたが、過去の製品には変色が多くあります。
特に「日の当たる部分」と「当たらない部分」に変色の差があるものです。
南面と北面(あれば北面の下屋根)の色の差を比較し、明らかに色の差がある場合は気にかけるべきだと思います。
また建物を遠くから見て軒樋(横樋)の傾斜を確認するのも忘れないでください。
大雪後は屋根に積もった雪で雨樋が押されて変形することがあります。
遠くから軒樋(横樋)の並行を意識して眺めてみると、「あれ?すこし傾いてる?」ってことがあります。
これは意外と誰でも感じる人間の感覚で素人さんでも違和感を感じる事があるので参考にしてみてください。
こちらも見た目ですが、実際に雨樋が機能をしているかをチェックします。
雨の日は外に出るのは用でもないかぎり面倒なものです。
ただ雨樋の機能を図るのにはこれ以上の方法はありません。
強めの雨の時は絶好のチャンスです。
部屋の中からでは外の雨音がうるさくて、なにか不自然な音がしてもどこからの音か分かりませんので、傘をさして建物を一周してみてください。
特に建物の角の部分は水が多く集まる場所で、軒樋(横樋)の性質上、破損しやすい部分になります。
十分注意して確認をしてみてください!
家を外敵から守ってくれているのは主に屋根・外壁です。
しかし実は雨樋も地味ながら活躍をしてくれているのです。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。