雹が降るシーズンは地上と春と秋で、特に5月・10月が多い時期になります。
雹の大きさは小粒のサイズからゴルフボールくらいのものまであり、世界最大の雹として日本で約100年前に直径約30センチのものが観測されているようです。
これだけ広い世界で日本の雹が過去最大ということは、日本は雹が降りやすい場所なのではないでしょうか。
雹が降った後は家屋の物損被害(多くは屋根や雨樋)のご相談が多くあります。
ここでは雨樋が雹で壊れたときの修理例・対処法をご紹介いたします。
ピンポン玉くらいのサイズの雹によって雨樋が破損した写真です。
こちらのお宅は全ての面の雨樋が雹によって突き破られていていたので、雨樋全交換となってしまいました。
雨樋を交換するのには安全面と作業性を考慮し足場必要な場合があります。
雨樋は屋根の先端(軒先)に取り付けるので、作業の際は非常に危険です。
既設の雨樋を撤去して新しい雨樋金具を取り付けました。
金具を取り付ける際は勾配(傾斜)を付けることによって、雨水が指定の方向に流れるようにしておきます。
新規の雨樋を取り付けました。
雨樋はパナソニック製のシビルスケアという商品です。
約25年に発売された大ヒット商品で、すっきりとしたデザインと細かく工夫された構造で多くの工事店さんがおすすめしている雨どいです。
雹によって雨樋の本体部分と角部(軒曲がりという部位)が破損をしました。
破損状況からみてもかなり強く雹が当たったようで、角部分が粉々に破損をしてしまっていました。
補修はまず足場を設置してから工事を始めます。
破損した雨樋を外して、新規の軒樋金具を取り付けます。
軒樋の金具の間隔(ピッチ)は原則60センチ以下で取り付けをします。
金具を取り付けたら、新規の雨樋を取り付けます。
取り付けた金具ですが、最近は見えなくなるものが基本仕様になります。見映えも悪くないので、安心ですね!
横の樋(軒樋といいます)に雹が直撃し貫通してしまいました。
築年数が経過している建物は雨樋が劣化しているので破損しやすくなっております。
多くの家は塩ビ製の雨樋を使用しています。
塩ビ製の雨樋の寿命は約30~40年ですので、他の家は壊れていないのに何故自分の家だけ?というようなことがあれば、築年数の差だと思ってください。
破損した雨樋を撤去し、新しい雨樋に交換をしました。
今回の雨樋はパナソニック製の「アイアン」という商品です。
「アイアン」とは簡単いうと鉄板にプラスチックがコーティングされている商品です。
見た目は普通の雨樋ですが、切り口断面を見ると構造がよくわかります。
もちろん鉄板が入っているため、プラスチックのみでできている製品より頑丈にできているので、次に雹が降ってきても破ける心配はありません。
雨樋が雹で破損した時は部分交換または全交換することが必要になります。
工事費を少しでも抑えたい場合はご加入されている火災保険(損害保険)の利用をおすすめいたします。
火災保険は「火災」以外の被害の場合も申請をすることができます。
雹災・風災・雪災でも使える場合が多くありますので、ダメもとで調べてみてはいかがでしょうか。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
【保険を使って雨樋を火災保険で直す方法】 はこちら
【簡単に分かる雨樋が破損した時の火災保険の申請の手順】はこちら
以上、雹によって雨樋が破損してしまった場合の修理と解決方法でした!
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。